福岡県は全国有数の洋ラン切り花の生産地。糟屋郡志免町の「南里園芸」さんは、今年で創業60年を迎えるコチョウラン農家です。
「令和元年度福岡県花き品評会 産物の部」の農林水産大臣賞をはじめ、花き品評会での受賞歴も多く、販路は関西、東北、北海道にまで広がっています。

ハウスが建つ南里地区は閑静な住宅街ですが、創業当時、辺り一面は田んぼだったとか。現在は、先代からバトンを受け継いだ南里さんご夫婦と従業員の皆さんが、約1,500坪の敷地でコチョウランを育て、年間約16万本を出荷しています。

冠婚葬祭用として花屋さんからのニーズが高いため、南里さんが目指すのは「花のコンビニ」。花屋さんの急な注文にも「あそこに行けば、いつでも花がある」と頼られる存在でありたいそうです。
そのために力を入れているのが、新苗への更新です。通常、苗は3年ほど花を咲かせ続けますが、次第に収穫本数や品質が落ちるため、南里さんは1年に約2万鉢は新しい苗に更新しています。
また、「時代の流れを読む」ことも大切にしていて、コチョウランは贈答品としての鉢植えが主流でしたが、ホームユースの流れが出来て、ニーズは変わってきていると、南里さんは見ています。
「コチョウランは切り花でさりげなく飾るくらいがいい。手入れが簡単で花持ちが良く、1カ月くらいは楽しめますよ」と教えていただきました。
南里さんがそんな最近のニーズを踏まえて挑戦しているのが、小ぶりでカラフルなミディコチョウラン。これなら、暮らしの中のいろいろなシーンで活躍してくれそうですね。




