お盆といえばホオズキ。その色や形から「ご先祖さまが迷わず帰ってこられるように」と、小さな提灯に見立てて飾られます。
朝倉市の和佐野徳昭さんは、両親の代から続く県内では数少ないホオズキ生産者で、観賞用の鉢物と苗を年間約1万ポット育てています。

ホオズキは、播いた種がそのまま育って商品になるわけではありません。種まき後に育苗し、土に植え替えて一定の大きさまで育てたら、根を掘り起こしてポットや鉢に移植します。そこから花を咲かせて実を結ぶまで、とても手がかかるのです。
また、病害虫にも弱く、お盆に向けてベストな状態に仕立てるのは、長年の経験を総動員しても難しいとか。「ホオズキは実がならないと商品価値がなくなるので、花を咲かせて実を結ぶための環境づくりを工夫している」と和佐野さんはいいます。
今では経験豊富な和佐野さんですが、両親が約30年前に栽培を始めたころ、自身は土木業界で働いていて、休日に手伝いをしていたそうです。
本格的な就農は代替わりの時で、以来「トライ&エラーでいい、とにかくやってみよう」と、さまざまなことに挑戦してきました。「人がやらないことをやる、時代に合わせて変わっていく」これも和佐野さんが大切にしている考えです。
また、近年は市場のニーズに応えて栽培品目を広げ、ユーカリやサイネリア、パンジー、ビオラなども栽培しています。そのため、パート従業員の手も借りていて、障がいがある方も雇用しています。
「障がいがあっても、一つのことをコツコツと一生懸命取り組んでもらい、とても助かっている」と、和佐野さんはいいます。
夏に向けては、熱中症対策で従業員の作業は午前中のみ。エアコンのある部屋で休憩できるようにするなど、誰もが働きやすい環境づくりにも努めています。
猛暑や水害続きで思うように出荷できず、例年通り5月の連休開けから出荷できたのは、2年ぶり。和佐野さんが丹精込めて育てたホオズキは、7月にかけて県内をはじめ、遠くは名古屋まで届けられます。






