周囲への感謝の気持ちを忘れずに、
愛情たっぷり花を育てる


JA職員から花き農家へ
「やればやっただけ花は応えてくる」
仏花の生産が多い夏、色とりどりの華やかなダリアを出荷しているのは添田町にある「高瀨花園」の高瀨英治さん(54)。筑豊地区を代表する生産農家です。福岡県で秋から春にかけて生産が多いダリアを夏に出荷できるのは、立地に理由があります。「標高が500メートルほどなので、平地より涼しいです。英彦山からきれいな水も流れてくるし、とにかく環境が素晴らしいですね」。


高瀨さんはJA職員を経て就農。花きの専業農家になって25年になります。夏は涼しい添田町ですが、冬になれば雪が積もることも。ハウスが潰れてしまったことも何度もありました。「そういう経験を何度も積みながら、改善・改良をしてきました」と高瀨さん。一方で「やればやっただけ花は応えてくれるのが面白い」とやりがいも語ります。


地域、自然への感謝しながら、
親子で花づくり
高瀨花園のほ場は1ヘクタールほどあり、ダリアの他に、ラナンキュラス、リンドウ、ケイトウ、トルコギキョウを栽培しています。トルコギキョウを育てているのは、息子の寛人さん(22)。2年間糸島市の花き農家で修行を積み、その経験を活かして花づくりを行っています。「昼間しっかり光合成をさせて、夜はしっかり休ませる。こうすることで茎が太くて丈夫なトルコギキョウになります」と寛人さん。高瀨さんは「子どものころは、コンテナを積んで遊んでいたのに…(笑)まさか継いでくれるとは思いませんでした」と顔をほころばせます。



高瀨花園では市場に出荷するだけでなく、町内の小学校にも花を届けています。また、地域の花き生産者と交代で月に2回、英彦山神宮に献花し、日頃の感謝を伝えているそうです。「ここで花が育てられるのは英彦山のおかげ。豊かな環境があるだけでなく、台風のときは英彦山が盾になってくれます。だから、この地域は大きな被害が出なくて済んでいるんですよ」と高瀨さん。地域への感謝、自然への感謝。常に感謝の気持ちを忘れずに、愛情いっぱいに花を育てている高瀨さん親子でした。


【お問い合わせ先】
高瀨花園
電話:0947-84-2043