朝倉市長田の「羽野園芸」さんは、今年9月に法人化し、(株)羽野園芸となりました。代表取締役である羽野勝己さんは、平成元年に花苗の生産を開始。その後のガーデニングブームも手伝って、経営は順調に伸びていきました。

しかし、平成29年7月。この地を九州北部豪雨が襲い、苗はもちろん機械類やトラックまですべてが水没したそうです。
離農を考えるほどの被害でしたが、それを踏みとどまらせたのが、この年の4月に就農していた、息子・雅俊さんの存在でした。「バトンを受け継ぐ若い力があることが原動力になった」と、勝己さんは当時を振り返ります。
一方、後継者である雅俊さんは「すべてが水没し、あんなに弱った親の姿を見たことがなかった。父が長年かけて作り上げたものをつぶしたくない」と、自分を奮い立たせたそうです。
その後、親子で力を合わせて業績回復に力を注ぐなか、これまでの実績に加えて後継者がいることが評価され、ホームセンターとの直接取引がスタート。業績は順調に回復していきました。
現在では、100aの敷地で約50品目・300アイテム以上を育て、年間生産鉢数はおよそ80万ポット。主力品目はパンジー、ビオラ、ペチュニアなどで、福岡県内の市場へ出荷するほか、花壇用など自治体からの需要にも応えています。
現在、雅俊さんは生育状況を図や画像で細かく記録し、父・勝己さんの栽培技術のデータ化に取り組んでいます。一方の勝己さんは「栽培管理のスマホでの情報共有」など雅俊さんからの提案も積極的に経営に取り入れているそうです。息子の挑戦を頼もしく思い「親子で互いを尊重しながら補い合っていきたい」と考えています。
「これからは父の営業力も身つけたい。豪雨という最悪のスタートだったので、心が折れることはありません」と、雅俊さんは笑顔で話します。






