花のある暮らしを提案したい!
仕入れたばかりの花を、定期的に宅配
薬剤師の免許を取得した後で、
「花屋の仕事が向いている」とUターン
北九州市・門司港近くのアーケード街入口にある『naturica和田生花店』。落ち着いた雰囲気のお店の周囲には、鉢ものや寄せ植えなどがさりげなく置かれています。和田翔さん(39)・昭子さん(42)夫妻が2014年、本店から独立する形でオープン。お店の名前にはnatural(自然な)とbotanical(植物の)という二つのキーワードを盛り込んでいます。
近くにある実家の生花店は祖母が半世紀前に創業。和田さんは三代目です。「子どもの時から店の手伝いをしていたので、花を扱うのは嫌いじゃなかった」と話しますが、家業を継ぐまでにはある出会いがありました。
父親の病気を機に、岐阜県の薬科大学に進学。「病気を治す仕事がしたい」と薬剤師を目指しました。しかし、授業の合間に、名古屋市のフラワーデザイナー磯部健司さんの教室に通い始めたことで、進路が一転。「自分はやはり花屋の仕事に向いているんじゃないか」とUターンを決意しました。
福岡に戻ってからも技術を磨き続け、昭子さんとは組合主催の勉強会で出会いました。夫婦でお互いが作るものから新たな発想やアイデアを得ることも多いそうです。
「花屋の仕事は自由度があって楽しい。注文を受けて花束やアレンジを作りますが、花の組み合わせ方で作り手の個性が出ます。薬剤師の資格は役に立ちませんけどね」と笑います。
新鮮な花を、その日のうちに届けたい
生産者を取材して情報を発信
新型コロナの流行で、ブライダルの仕事が激減。「時間に余裕ができた」と前向きにとらえ、Instagramのアカウント「ふくおかフラワーファクトリー」を一人で立ち上げました。福岡県の花農家などを訪ねて記事を書き、情報を発信しています。「生産者の顔が見える形で花を届けたい」と、お店の花には産地や生産者の名前が書かれています。「コロナ前よりかえって休みが減りました」と話しながらも、花農家への訪問を楽しんでいます。
花のサブスクリプション(定期配送サービス)も開始。「切り花は日持ちしないと思っている人が多いけど、仕入れてすぐお届けできたら、家庭で長く楽しんでもらえる」と和田さん。仕入れた日の夕方から翌日までに、生産者を紹介した手作りチラシと一緒に宅配します。5回まとめて申し込むと1回分無料になります。花が長持ちする秋から春までの季節限定です。お客様から「花が良く持つ」と喜ばれるそうです。 「隔週や月1回でもいいから、自分へのご褒美として花を部屋に飾ってもらえれば」と和田さん。生産者と消費者の笑顔をつなぐ仕事に手ごたえを感じています。
【店舗情報】
店舗:naturica和田生花店
住所:北九州市門司区栄町3-16 新栄ビル1F
電話:093-321-3290
営業:9:30~18:30
定休日:日曜
HP:https://naturica87.com/
Instagram:naturica @naturica878
ふくおかフラワーファクトリー @fukuoka87